西遊記とは
あらすじなどを紹介する前に、まずは"西遊記とはなんぞや"という人もいると思うので、西遊記そのものについて少し触れていきます。
西遊記とは、中国で16世紀の明の時代に大成した伝奇小説です。
「三国志演義」「水滸伝」「金瓶梅」と共に、中国の四大奇書と呼ばれています。
日本では、ドラマやアニメ、漫画などに西遊記そのものを題材にした作品が数多くありますが、一部をモチーフとして取り入れているものもあります。
例えば、少年ジャンプに掲載されていた某竜の玉を扱う漫画では、西遊記の登場人物そのままのキャラクターや、登場する道具が実際に用いられています。そのため、西遊記そのものを知らなくとも、間接的に触れたことのある人が大半かと思われます。
そんな西遊記ですが、根底には「大唐西域記」という一人の僧侶の見聞録があります。
西遊記の元となった見聞録「大唐西域記」
大唐西域記が作成されたのは、中国が唐の時代。
その頃の中国では、仏教が流行っていました。
しかし、情報網が発達していない時代ですから、真偽含めて様々な説が入り混じって、どの教えが本質なのかが不明瞭でした。
玄奘三蔵の登場
そんな中、熱心な仏教徒の玄奘三蔵は、仏教の真髄を見つけるために、仏教発祥の地・天竺へ行くことを決意。
その時代、国外への旅行は禁じられていたのですが、国禁を犯してまでも無断で国外へ。そうして、玄奘三蔵の天竺までの旅が始まりました。
天竺に到着して
数年の時を経て、インドの天竺に辿り着いた玄奘三蔵は大量の経典※と仏像などを入手。それらを土産にすることで、国禁が許され帰国することが叶いました。
その旅路の様子、16年にわたる旅の間に通過した国の様子や情報をまとめたものが、大唐西域記なのです。
もちろん、史実ですから妖怪などの魑魅魍魎は出現しませんし、孫悟空などのお供は登場しません。この中で重要なことは、玄奘三蔵という僧侶と全体的な流れです。
西遊記のあらすじ
簡単に言ってしまうと、
西遊記の三蔵法師は、玄奘三蔵が元になっています。
玄奘三蔵と三蔵法師の関係性は、
こちらの記事により詳しく記載されていますので割愛しますが、大まかな流れ、
三蔵法師が天竺へ行って経典を取りに行くのは変わりません。
一人旅ではなく
そこに、神や妖怪などの空想上の生き物が加わり、実際には一人だった旅路に弟子が随行したりと肉付けされていきました。
とは言っても、この時代に一人旅は無謀です。実際は、名前にあがるような人物がいないだけで、道案内や護衛役、物を運ぶ従者がいたらしいです。
また、それらが孫悟空などのモチーフになっているという説があります。
ここまでのことを踏まえて、西遊記のあらすじを簡単に書くと、三蔵法師とその弟子である孫悟空や猪八戒、沙悟浄の一行が、道中に出現する妖怪たちと戦いながら、天竺へ行って経典を取りに行く話、となります。
これだけでは寂しいので、興味がそそられそうなエピソードをいくつか紹介。
※名前にあがるような人物がいないだけで、道案内や護衛役、物を運ぶ従者はいたらしいです。
某忍者漫画に登場する妖怪も
こちらも同じく少年ジャンプに掲載されていた、某竜の玉を扱う漫画でも、モチーフにされている箇所があります。
言わずもがな、孫悟空という名前ですね。
その他にも、如意棒や筋斗雲、芭蕉扇など作中使われる道具は、西遊記内でも使われています。漫画内では牛魔王、アニメオリジナルですが先ほどの金角・銀角も同姓同名として登場しています。
漫画内で一番初めに7つの玉を集めた時の中心人物たちは、どれも西遊記に登場するキャラクターに当てはめることが出来ると思われるので、照らし合わせてみると面白い発見があるかもしれません。
男が妊娠する時代の先取り描写も
物語の中で、三蔵法師と猪八戒が妊娠しました。
知っての通り、二人とも性別は男性です。映像化・舞台化する際、登場人物のほとんどが男性になってしまうため、演出の都合上三蔵法師を女性にすることは多いようですが、原作では歴とした男性として描かれています。
なぜ男性が妊娠したのか?
それでは、何故男性が妊娠をしてしまったのか。
西遊記には、子母河という川があり、曰くその川の水を飲めば男性でも妊娠してしまうとか。それを飲んでしまったことにより懐妊してしまったのです。
百歩譲って、想像はしたくないですが、子母河の水に精子が含まれていたら、女性が飲むことで懐妊※するかもしれません。ですが、なぜ子供の素を持たない男性が飲んで作用するのか。
その生命の神秘たるや、計り知れません。
※現実にはこちらも、もちろんありえません。飲んだら胃に入りそのまま排出されるだけです。
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